ここ数年で花粉症患者はどんどん増えています。
実際、私も花粉症ですし、家族や友人にも春になると花粉症で辛そうにしている人が多くいます。
ですが、祖父母と話していると、「昔は花粉症なんか聞いたことがなかった」ということをよく言われます。
たしかにここ数年は毎年テレビなどで去年の何倍量の花粉が飛散する予想です、といったニュースを耳にします。
ですが、昔からスギやヒノキはあったはずですし、祖父はスギの木に登って遊んでいたとも言っていました。
では、なぜ最近になって花粉症患者が増えているのでしょうか。
初めて花粉症が報告されたのはいつ?
そもそも、初めて花粉症が報告されたのはいつごろなのでしょうか?
調べてみると、1964年に初めてスギ花粉症が報告された、とありました。
花粉の飛散量は60年代から計測されており、特に70年代後半から大量飛散の年が度々あったようです。
おそらく、それを直接的な原因として花粉症患者も増えていったと考えられます。
なぜ花粉の飛散量が増えた?
では、なぜ花粉の飛散量が増えたのでしょうか。
これは、単純にスギやヒノキの量が増えたこと、そして人工林の樹齢構成が極端に偏り、一斉に生殖適齢期をむかえたことが原因のようです。
日本では、戦時中は軍需用、戦後は復興のための建材として植樹されることもなく乱伐され、一時期スギやヒノキの建材が不足する事態に陥りました。
そこで1950年代から大々的にスギやヒノキの植林が行われるようになりました。
当時、スギの建材は価値が高かったのもあり、他の樹林も伐採されスギの人工林に置き換えられる、といったこともあったようです。
しかし、それでも国内だけでは木材の需要を満たしきれなかったため、1960年に外国からの木材の輸入が自由化されます。
すると、この外国産の木材が高品質で価格が安かったのもあり、国産の木材の需要が激減してしまいました。
その結果、国産の木材は値崩れし、多くの人工林が手入れもされずに放置されてしまいました。
本来であれば適切に間伐や枝打ちなどをしなければ建材として正しく成長せず使えなくなってしまいます。
こうして同時期に植林され手入れされずに残った人工林が一斉に生殖適齢期をむかえ、一斉に花粉をばら撒くようになり、それが原因で近年、花粉症患者が増えているようです。
他にも原因がある?
花粉症患者が増えた一番の原因は、スギやヒノキの人工林がそのままになっていることでしょう。
ですが、それ以外にも自動車の排気ガスなどによる大気汚染、昔とは食生活が変わり乳製品やタンパク質の過剰摂取によりアレルギーが起きやすくなっている可能性。
また、都市型社会生活によるストレスの増大などが影響しているという学説も存在します。
もちろん、これらの学説はまだ正しく検証、証明されてはおらず、信用できるものではありませんが、やはり昔とは生活環境などが大きく変わっていることももしかすると一要因なのかもしれません。
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